2023-10-6奈良散歩

フォト散歩

今年は夏の暑さがいつまでも続き、このまま秋が来ないかと思われましたが、
10月になると急に気温が下がり、秋らしくなってきました。
丁度、写友がならでグループの写真展をするとのことで、
写真展観覧のついでに奈良の秋を探しに出かけました。
スルッと関西の奈良・斑鳩1dayチケットを利用しました。

〔般若寺〕最初に訪れたのは、コスモスで有名な般若寺です。例年なら境内はコスモスの花で覆われているのですが、今年は猛暑のせいで、殆ど枯れてしまい、植え直したそうで、開花が遅れていました。寺伝によると飛鳥時代、高句麗の慧灌法師がこの地に寺を建てたのが始まり。その後天平7年(735)聖武天皇の時に、平城京の鬼門鎮護のため堂塔が造営されたと伝えられています。京都から奈良への要路にあたるため、治承の兵火で戦火をこうむりましたが、西大寺の叡尊上人により文殊菩薩の霊場として復興され、庶民救済の文殊会を盛んに開くようになりました。鎌倉時代の優美な建築様式をもつ楼門(国宝)が残っています。楼門の奥正面に立つ十三重石塔(重文)は、高さ約14.2メートル。石仏を彩って咲く春の山吹、初夏のアジサイ、初夏・秋のコスモスなどが美しく、花の寺としても有名です。

〔吉城園〕杉苔が色鮮やかな歴史的庭園

興福寺塔頭の摩尼珠院の跡に作庭されたといわれている庭園です。民間で所有され迎賓施設として利用されたのち奈良県の所有となり、一般公開が許可されたのは、1992年(平成4年)のこと。園内は池の庭、苔の庭、茶花の庭にわかれており、特に杉苔でびっしりと覆われた苔の庭がみどころです。茶花の庭には、素朴な草花が植生しており、茶席に活けられることも有る様です。紅葉が少し色づき秋の気配が感じられました。入園は無料ですのでお近くに行った際は是非お立ち寄りください。

〔入江泰吉旧居〕
入江泰吉プロフィール:1905(明治38)年、奈良市生まれ。画家を志すが家族の反対で断念。長兄からアメリカ・イーストマン社のベストコダック・カメラを譲り受けたことをきっかけに写真の道へ。
 1931(昭和6)年、大阪市内で写真店「光芸社」を開業。文楽人形を撮影した「春の文楽」で世界移動写真展一等賞を受賞。1945(昭和20)年3月、大阪大空襲で自宅兼店舗が全焼。着の身着のままで奈良へ移る。終戦後の11月、疎開先から戻ってきた仏像を東大寺法華堂前で目撃。仏像などはすべて米国に接収されるとの噂に、貴重な文化財を写真に記録することを決意した。以後は奈良大和路の風景、仏像、行事などを撮ることに専念。
 1992(平成4)年1月16日、86年の生涯を閉じた。菊池寛賞、勲四等瑞宝章を受けた。
〔旧居について〕
写真家・入江泰吉(1905~1992)は奈良の仏像、風景、伝統行事、万葉の花などを半世紀以上に渡り、撮り続けました。「美しき奈良大和路」のイメージは、入江の写真作品によって広く知られ、定着していったといっても過言ではありません。
 このたび一般公開されることになった入江泰吉旧居は、入江が戦後から亡くなるまで暮らした場所です。旧居がある水門町は、東大寺旧境内で、いまも土塀や古い家が並ぶ風情ある町並みが残り、入江は少年時代の一時期もこの町で暮らしました。ここで、作品の構想を練り、暗室で現像を行うなどの仕事をし、趣味の時間を愉しんだのはもちろん、親しかった第206世東大寺別当・上司海雲、文豪・志賀直哉、画家・杉本健吉、随筆家・白洲正子をはじめ、多くの人も来訪しました。
 1992(平成4)年4月、入江が全作品を奈良市に寄贈したことから入江泰吉記念奈良市写真美術館がオープンした8年後の2000(平成12)年、妻ミツエは自宅を奈良市に寄贈。以来、奈良市では有効な活用方法を検討してきました。
 この場所で、入江の仕事ぶりや毎日の暮らし、交友関係、また、歴史文化への深い理解に裏打ちされた美意識やまなざしに思いをはせ、これからの奈良のあり方や進む道について、ここを訪れる方とともに考える場として活用していきます。※出典:奈良市

〔東大寺~二月堂〕東大寺は743年(奈良時代中期)に聖武天皇により建立されました。
1180年(平安時代後期)と1567年(室町時代後期)の火災により、南大門は鎌倉時代に、大仏殿は江戸時代に再建されています。数々の国宝を有し、世界遺産に登録された、日本が誇る木造建築です。

〔入江泰吉記念奈良市写真美術館〕
春日大社の神職が住む町として古くからひらけ、柳生街道の始終地であることから賑わい発展してきた高畑(たかばたけ)は、大正から昭和にかけては多くの文人墨客に愛され、文化の町としても知られるようになった。白樺派の文豪・志賀直哉が9年間住んだ旧居が保存公開されている。そして、奈良を愛しその風物を撮り続けた写真家・入江泰吉の 功績を記念し開設し、1992年1月16日、奈良市写真美術館が、開館した。建物は、建築家 黒川紀章の設計によるもので、新薬師寺の隣という歴史的な環境との調和に留意し、展示室など大部分は地下に埋め込まれている。また、屋根は瓦葺きにすることによって古都奈良のイメージを損なうことなく、外壁はガラス張りになっているため瓦葺きの大屋根がぽっかりと浮いているようなつくりとなっている。
奈良の絶景を撮り続けた入江氏の素晴らしい作品が観賞できます。写真に関する本、資料などが無料で閲覧できます。また写真集の販売や、喫茶コーナーなどもあり、写真好きなら、半日くらいゆっくりと楽しめます。